「王様だーれだ」
「オレだ！」

「ゲッ……よりによってしょっぱなナツかよ……あのバカ、きっととんでもねえこと言い出すぞ」（4番）
「おもしろい、言うなれば仲間同士の信頼を確かめあうゲームだろう。ナツ、私を当てるがいい」（1番）
「どんな命令だとしても潔く従う、それが漢だ」（7番）
「最初から飛ばしすぎると後がネタ切れになっちゃうから、あまり過激なのはダメよ。はじめは様子見でチューくらいかしらね」（8番）
「アンタ、王様になったらどんだけエグい命令するつもりなんだよ……おっかねえ女だぜ」（2番）
「ナツさんがんばって。ジュビアとグレイ様がペアになれるように」（5番）
「オレはこんなところで遊んでる場合じゃないんだが……だが、エルザの頼みとあればやむを得まい。これも世界の平和のためだ」（6番）
「なんであたしまで……てか、なんかすごく嫌な予感がするんですけどぉ〜……」（3番）
「よーし、お前ら覚悟しろよ、いくぞー」（王）

（……頼むからオレを巻き込むなよ……4番指すな……4番指すな……！）
（ふふん、1番だ、1番をコールしろ。どんな挑戦だろうと私は負けぬぞ。勝負だ、ナツ！）
（姉ちゃんの独裁政権の時代がやってくることを思えば、ナツの考えることなどたかが知れてるはずだ……！）
（4番と2番が抱き合って相手の目を見ながらお互い愛を囁く、なんて面白いんじゃないかしら……全裸で）
（チッ……あの野郎に従うなんざまっぴらごめんだが、拒んだりしたらこの魔人がなにするかわかったもんじゃねえぜ……）
（5番とグレイ様……5番とグレイ様……5番とグレイ様……ゴバンとグレイサマ！）
（ちゅ、チューだと……！？……いや、ゲームと言えど命令ならやむを得ん。……6番とエルザ……6番とエルザ……6番とエルザ……）
（ああああ、なんかみんなから邪悪なオーラを感じるわ……）

「命令だ。ルーシィ以外は全員別室、二時間戻ってくんな。あと覗くな」

「……おい……ナツ……おまえ、ルールわかってねえだろ……」
「なんだ、思ったより簡単だな。行くぞおまえたち。ニ周目に備えていまのうちに対策を練っておこう」
「……お、漢だ！……いや、……漢……なのか？」
「うふふ、あんまり大きな声出しちゃダメよ。ここの宿、壁薄いみたいだから」
「……つくづく欲望に忠実な野郎だぜ……ギヒッ」
「そっ、そんな手があったなんて……！ならば……二周目の王様の座はジュビアのもの」
「なっ、そんな手があったとは……！遊んでいる場合ではないがやむを得んな……世界の平和のため、次はオレがなんとしても王様を引く」
「ちょっと！！みんな、なに素直に出ていってんのーーーーっ！？」
「つべこべ言うな、ルーシィ。王様の命令は絶対だろ？」

――パタン。

「……」
「……」

「よし、脱げ！」
「いやよ！！」